マイドインじゃぱん!


初めてのニッポン旅行は雨ばかりだが、(このご時世、海外からの観光客はありがたいです)
「美しい国ニッポン」どこやのおえらい政治屋さんがちょっとの間だけ口走っていたけど、
昨今の永田町界隈のお粗末ぶりはオーストラリアでもよく耳に入るようで・・・
でも日本に初めてきた第一印象はイメージと違って「なんて美しい国なんだ!」だったとか。

人も街も緑の自然も実に心地よいと何度も言っていたメルボルンの友達のご両親マイクとステファニー

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学校で校長やら木工技術や数学を教えている彼と奥様が我が家に数日訪れた。

僕らの「持て成し」も大成功と言えるくらい良かったのだが、ひとつだけ・・・。それは


「世界に誇れるメイドインジャパンのひとつ!」
ファニチャークラフトマンのマイクは「メイドインジャパンのノコとノミ」を買いたいと言っていたのでホームセンターを数件案内したのだが、
「っぽいモノ?」はたくさんあったがどうも反応がいまひとつ...
好みを聞いてもホームセンターの藤巻グリップノコや職人魂と筆ってるノミなどでマッチしているはず!

彼と数日過ごし、人やモノのスピリットを知っていてそれを重んじるコダワリのジェントルマンであることは理解していた。
何が腑に落ちないのか聞いてもあまり理解できないでいた。

一番感触のよかったホームセンターに戻ろうかというとき、
「は!もしかして?」
ホームセンターばかりに気を取られていたが、急に昔行ったことのあった佐世保の老舗の古びた研屋(包丁屋)さんがあったことを思い出して(大工用品も多分あるかもしれないし?)とりあえず行ってみることに・・・

果たしてまだ店は存在してるんだろうか?・・・


マイクはシャッターもほとんど閉まりかけていたその古い研屋をみて「まさしくこれだ!」(え?)
でもやっぱ閉まってそう

強引にシャッターを潜って店に入ると奥の茶の間から大柄のマイクの腰くらいしかないご主人が肌着で出て来た

狭い店内に大工用の棚と包丁棚がありごちゃごちゃして一見よくわからない。

一般人向けのチープなノコ類は陳列棚にこぎれいにディスプレイされているが、
魂の込もっているハンドメイドのノコやノミは柄も外して油紙に包めて奥にあるようだ・・・
聞かないと分からないしまずそれは見せてくれない!(さりげなくニクい)

研屋のご主人と木工好きな彼は言葉も交わす前から何か引きつけ合うナニカが感じとられた。

日本の大工職人のスピリットや道具は、ボクが思う以上に海外から評価され、かなり一目置かれている。

背中を丸くしたご主人がボソッと「もうこの店後継ぎもいないし、あと数年できるかどうかも分からない・・・、一枚3万円するノコギリなど最近の大工さえ見向きもしなくなった。この道具を買ってくれるのは数人の宮大工かどこから聞いて来たのかちょくちょく来るアメリカ人たちくらいしかいない。そろそろ学校にでも寄付して授業で使って貰えたらと・・・」

半分涙目のマイクは棚から出されたノコセットノミ一式すべて買うと言った。もはや値段がどうのこうのではない。
いやきっと欲しかったものだったろうが、それよりこのご主人から(心を)受け継ぎたい気持ちでいっぱいだったと思う。

ご主人は東洋の計算機をパチパチ弾きながら頼みもしてないのに信じられない破格な値引額を口ずさみ、更にもう一枚立派なノコとノコ研ぎを差し出して「お宅の生徒さんまたはあなた自身に使ってほしい」と手渡した・・・


「見ててなんか涙がでそうだった」

昭和を背負ってきた「マイドインじゃぱん」を垣間見た。

その後もご主人は頼むからゆっくり時間をくれと言って精魂込めて柄を特別に藤巻にしてくれ、更にノコに焼き入れをしなおし柄におさめてくれ、
雨の中店の前に出てきて手を振って見送ってくれた。


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久々心が揺れる音がしたボクは、

となりの包丁棚にある ”魂のありそうな職人包丁” を手に取ろうとしたが・・・・、

彼女がそっと静かにボクの手を止めた(笑)







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by goosemaker | 2011-06-27 16:12 | life | Comments(6)
Commented by NAKA at 2011-06-27 22:09 x
お久しぶりです。
とぎやさんに行かれたんですね。
自分も包丁を使ってます。
刃物って魅力的ですよね。
Commented by goosemaker at 2011-06-28 07:51
NAKAさん
お久しぶりっす。
子供の頃包丁研ぎに行かされた記憶があります。
とぎやのご主人最高!
オレも近いうち(おやっさん元気なうち)職人包丁いただこうと思います。
Commented by at 2011-06-28 09:09 x
彼女がそっと静かにボクの手を止めた(笑)、、、、、
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FIちゃんの気持もgooちゃんの気持も手に取る様に伝わる一説です(笑)
(その光景が想像出来て笑いが止まりません。ゴメン)
私も使いやすい包丁をずっと探しておりますが、なかなか『コレ!!!』が
見つかりません。。。。

お互いの職人魂に ひたすら
感動させられました、、、、、、、。。。。。。。。
Commented by goosemaker at 2011-06-28 10:08
8兄さま
妄想していただきありがとうございます(笑)
この夫婦を見ててぼくらは今回いろいろなことに気づき学びました。ぼくらにとってもいい訪問者でした。

れいのODスタッフが落ち着いたらコッソリ包丁買いに行く予定です。兄貴の刺身包丁もゲットしときましょうか?(爆)


Commented by yone-photo at 2011-06-28 10:57
良い物語だねぇ。
昔の砥ぎ屋は、写真のようなおじちゃんが使い込んで若干弓状になった砥石でシュッシュッと砥いでたよね。ちょっと前にうちの親に頼まれて久しぶりに行ったら、グラインダーで砥いでた。ちょっと悲しくなった。
Commented by goosemaker at 2011-06-28 13:54
yoneさん
昔は鍛冶屋に研ぎ屋ってどこにでもあったんでしょうけど・・・
ぼくも砥石あるけどステン包丁とかマイグラインダーでシュー!
早いんだもん(笑)
でも旧車人的にはアウトかな?
でもそんなこと言っちゃうとガス使わないでマキでご飯炊かなくちゃ?
でもせめて思い入れの入るモノは昔のやり方で拘りたいっすね!反省♡
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